乗員は誰も緊急時マニュアル知らず
あきれた船長・乗員の言動
「尻を痛めた」船長、検査結果は異常なし
沈没した旅客船「セウォル号」のイ・ジュンソク船長(69)=逮捕済み=は検察・警察合同捜査本部の調べに「船が突然傾いて転倒し、
尻を痛めた。救助船が来て『早く出て来い』と言ったのでじっとしていられなくなり船から下りた」と供述したという。けがをしていたから
やむを得ず救助船に乗ったという弁明だ。しかし、19日に木浦市内の病院でレントゲン撮影をした結果、イ船長の尻には異常がなかった。
イ船長は救助されたとき、自身の身分を明かさなかった。イ船長は16日午前に救助船に乗った際、救助隊員が「乗員ですか?」と
聞くと「違います。ただの乗客です」と答えたことが分かっている。イ船長は救助船に乗って珍島・彭木港に着いたときも、職業欄に
「一般人」と記入し詐称した。このため、合同捜査本部はセウォル号沈没事故で逮捕された7人のうち、イ船長だけに、道路交通法の
「ひき逃げ・当て逃げ」に相当する「特定犯罪加重処罰法違反(逃走船舶の船長または乗務員に対する加重処罰)」を適用した。
また、捜査の結果、イ船長をはじめとするセウォル号の乗員全員が緊急時マニュアルを知らず、安全教育も受けていなかったことが
分かった。捜査チーム関係者は「セウォル号には船長はもちろん、しっかりとした乗員が1人もいない。マニュアルを知っている人も、
安全に関する教育を受けた人もいなかった」と語った。
旅客船の全乗員は衝突・座礁といった海洋事故に備え訓練を定期的に受けなければならない。セウォル号の船会社・清海鎮海運の
マニュアルによると、消火訓練・人名救命・避難訓練は10日ごとにしなければならない。また、衝突・座礁や機関故障などによる
船体損傷に備えた訓練、人身事故に備えた訓練は6カ月ごとに実施することになっている。訓練対象者は全乗員だ。
しかし、捜査チームは今も安全教育を受けたと話す乗員を見つけられないままだという。
木浦= ソン・ウォンヒョン記者
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/04/23/2014042300986.html