鈴置:4月28日午前、聯合ニュースは「韓国政府は上半期中の韓中首脳会談開催を目指して動いている。早ければ5月末にも習近平国家主席が
訪韓する」と伝えました。オバマ大統領は4月26日の土曜日まで韓国にいましたから、日曜日を入れて2日後のことです。
元カレが帰ったら直ちに今カレを家に呼ぶ感じですね。「オバマがウチに来ていたけれど、本当はあなたの方が大事。誤解しないでね」と中国に
弁解したということですか。
鈴置:その通りです。韓国政府はオバマ大統領の日本国賓訪問を邪魔するために「不公平だ。韓国にも来てくれ」と米国に要求しました。
米韓両国政府がオバマ訪韓の日程を詰めていた最中の2014年1月末、習近平国家主席が突然、朴槿恵に「誕生日を祝う」親筆の手紙を送り、
その中で「年内の訪韓」を約束しました。
韓国の"今カレ"への気の使い方は異常です。オバマ訪韓の2日前にも朴槿恵大統領は習近平に電話をかけているのです。
非常識な電話の公開
北の核に関し電話したのでしたね。
「米国よりも中国が大事」との姿勢を世界中に示し中国のご機嫌をとるのが最大の目的だった、ということと思います。オバマ訪韓の2日前の
「習近平への電話」にしても、訪韓2日後の「中韓首脳会談の早期開催」にしても。
中韓首脳会談に関し、中国側は何か反応しましたか?
「一刻も早く来てほしいという、朝鮮王の忠誠心はよく分かった。だが、皇帝は忙しいのだ。そんなに早くは行けない。焦るな。夏まで待て」
と答えた格好です。
恐中症の韓国と猿芝居の米国
北朝鮮を悪役にする米国の手法を、中国は逆手に取ったと言えます。「だったら危ない奴を心理的に追い詰める米韓合同演習もやめたら
どうだ」と"猿芝居"を続ける米国に言い返した形です。
中国政府の攻撃対象は合同演習には留まらないでしょう。いずれ「在韓米軍そのものが北を心理的に追い詰める危険な存在」と言い出すと
思います。その次は「米韓同盟こそが……」と言うのも見えています。
米中間で迷走始める韓国
政権は発足以来の苦境に立っています。打開するため、韓国政府は外交で予想外の動きに出る可能性があります。
米国の大統領に会えばその要求をのみ、中国の国家主席と会えば米国との約束をほごにする――そんな迷走が始まるのではないか。
米国や国民に迷走を言い訳する材料はもちろん「日本」です。仮に日本が「慰安婦」で何らかの譲歩をしても、韓国はへ理屈をこねて
「譲歩になっていない」と言い出す。そして「日本が悪いから米国との約束を守れない」と弁解する可能性が大なのです。
日・露・清が朝鮮半島で覇権を争った120年前も、当時の王様はそれらの間を右往左往して、最後は日本の植民地に転落しました。
今、韓国のメディアは当時との類似を指摘し始めています。
抜粋以下ソース
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140506/264088/?P=1